11月も半ばになり、ちらほらコートを羽織る方が増えてきました。
これから3月中頃まで寒い冬の季節です。
装いが変わると、お履き物も服に合わせて変わりますが、皆様昨年お履きになられた靴のお手入れはもうなされたでしょうか。
昨年秋から冬の季節にかけてお履きになられたパンプスやブーツ、ビジネスシューズなどは靴底が消耗している場合がありますので一度点検をおすすめします。
しまっておいた靴は、甲革(アッパー)が乾燥している場合があり、そのまま履かれますとアッパーのひび割れ等のトラブルを引き起こす場合があります。
履き始める前には靴クリームでお手入れしてから履く事でアッパーの柔軟性を保ち、汚れや埃が付きにくくなりますよ。
おすすめの靴クリームはコロニルのウォーターストップカラーズ。
靴クリームを塗布するためのスポンジが付いていますので、手を汚さずにお手入れする事が出来ます。
これから年末にかけてなにかと忙しくなる前に靴底をメンテナンスしておくと少し余裕もって年末をお過ごし頂けるかと思います。
本日は男性のお客様に是非参考にして頂きたいビジネスシューズの靴底メンテナンスをご紹介致します。
【ビジネスシューズの定番】マドラスのストレートチップ
1946年にイタリアで生まれ、1965年から日本でも取り扱われるようになったブランド、マドラス。
イタリアの靴らしい艶っぽさは当時から現代までお洒落な男性の足元をきめてきました。
ストレートチップやウィングチップなどの定番から最近ではパティーヌ仕上げの色鮮やかな靴までラインナップに取り揃えております。
そんな沢山あるラインナップの中でいつの時代も売れ続けているのが、内羽根のストレートチップ。
マッケイ製法のストレートチップのために履き心地は柔らかく、とても履きやすい靴です。
ある程度履きならす必要のあるグットイヤーウェルテッド製法の靴と違い、履いたその日から柔らかく包み込まれるような履き心地を体験して頂けます。
履きやすい靴はついつい沢山お履きになりますので、靴底も消耗しやすくなります。
消耗した靴底をそのままにして履き続けますと靴に思いのほか負担がかかり、型崩れなどのトラブルにつながりますので、定期的にメンテナンスをおすすめします。
マドラスかかと修理前
お仕事で履かれる靴は靴底の消耗も激しいので、ヒール本体まで磨り減ってしまう事が多々あります。
プロジェクトを数件抱えてる時など、身の回りの事まで手が回らずに、ついつい履きすぎてしまうことも。
ですが、すり減りすぎたヒールは歩いていて滑りやすくなるなど安全面でリスクがありますので、出来るだけ早めに修理して頂けると安心して靴をお履き頂けます。
かかとの部分が磨り減りすぎてしまうと、もう直せないとお考えになるお客様がいらっしゃるのですが、多少履きすぎてしまった靴でもしっかり修理出来ますのでご安心下さい。
ヒール本体まで磨り減ってしまった部分には、革を補充してヒールの高さを元に戻す事が出来ます。
ヒールの高さは履き心地を左右する大切な部分ですので、なるべくオリジナルと同じヒールの高さに戻して修理します。
ヒールの高さを元に戻して修理する事で、靴に余計な負担をかけずに履き続ける事が出来ますので、靴が長持ちしますよ。
マドラスかかと修理後
磨り減ったヒール部分に革を補充してから、トップリフトを取り付けました。
補充した部分は、なるべく目立たないように自然な感じで仕上げてあります。
今回トップリフトに採用したのは、アスファルトなどの路面を歩いても磨り減り難い素材をセレクト。
少しでも長い期間、快適な状態で履き続けて頂ければと思います。
また素材は雨の日でも滑りにくいフルラバーですので安全な歩行をサポートします。
マドラス靴底修理前
かかとを修理する時に必ず点検する他の部分は、この靴底の部分です。
一見なんともないような靴底でも、つま先の部分と、靴底の中央部分は磨り減っていますのでメンテナンスしておくと靴の長持ち具合が違ってきます。
今回修理するマドラスの靴底は靴底を縫った糸が見えないように仕上げるヒドゥンチャネルという方法が採用されています。
靴底を縫った糸が見えないように仕上げるこの技法は仕上がりの美しさと靴底を縫った糸が擦り切れるのを防ぐ役割があります。
靴底をよく点検してみると、靴底を縫った糸を上からカバーしていた革が磨り減って、縫い糸が所々露出してきています。
糸が擦り切れている状態ではないので、薄いラバーのシートで靴底を補強する事で、縫い糸の保護が出来ます。
マドラス靴底修理後
靴底を耐久性に定評のあるvibram2027で補強しました。
ラバーシートは耐久性に優れていますので、沢山歩かれる方でも安心出来ます。
薄いラバーシートを靴底に貼るメリットは
元々の靴底を磨り減りから保護する事で靴が長持ちする
薄いラバーシートが磨り減ったら、ラバーシートだけ貼り替えれば良いので低コストで靴底のメンテナンスが出来る
など、大切な靴には是非試して頂きたい利点があります。
沢山歩かれる営業の方などは、靴を履き始める前に事前に靴底にラバーシートをお貼りになり、靴底を痛めないように工夫している方もいらっしゃいます。
修理実施店舗
店名 ウィンリペア大井
住所 埼玉県ふじみ野市ふじみ野1−2−1
電話番号 049-269-5331
営業時間 10時から20時
休憩時間 13時から14時
当ブログ掲載の修理はウィンリペア全店で承っておりますので、お近くの店舗までお気軽にお問い合わせ下さいませ。
マドラス靴底修理時間・料金
修理時間 1時間から
修理料金 ¥6000から
※修理時間は店頭の混雑状況により変わります。
※修理金額は使用する材料、靴の状態により変わります。
マドラス靴底修理まとめ
丁寧な物作りで定評のあるマドラスの靴は定期的にメンテナンスする事で長い年数愛用する事が出来ます。
甲革(アッパー)に使われている皮革の品質が良いので、足馴染みが良く、磨き込むほどに上品な艶が出てきて愛着の持てる靴になります。
アッパーのデザインも、靴を履いている時に負担のかかりやすい部分には、革を2重に重ね合わせたり、補強を兼ねたステッチを施すなど、靴が型崩れせずに壊れにくいように作られております。
だから靴底を修理しながら永く愛用出来るのです。
自分の足の形に馴染んできた靴を履き続けられるのは、メリットが沢山ありますので定期的に靴底のメンテナンスをおすすめいたします。
かかと修理、靴底修理、中敷交換など様々な修理をお取り扱いしております。